フラメンコ


フラメンコはギター。カンテ(歌)、バイレ(踊り)が三位一体となって表現されるスペインの芸術です。すべてが生であるために、微妙なタイミングや間の取り方が難しく、それぞれの呼吸がピタリと合うと思わず「!Ole!」のハレオ(かけ声)がかかります。そんな瞬間を味わいたくて日々フラメンコに接しています。フラメンコを通じて人と人との関わりを大切にし、一瞬一瞬過ぎ去っていくこの感覚を大事にしたいと思います。フラメンコは、形で残すことが出来ないため、より多くの人々にこの感動を味わって頂きたく日々精進しています。

フラメンコの種類(パロ)


フラメンコにはリズム(コンパス)や曲調によって多くの種類があります。

  • ソレア (Solea)
    soledad (孤独)が由来とされ、フラメンコの最も古い形といわれる。深みと威厳のある曲種。
  • シギリージャ (Seguiriya)
    変拍子風の複雑なリズムを持つ。簡素で厳格な曲調であり、カンテは嘆きを表現する奥深いものである。
  • アレグリアス (Alegrías)
    alegre(喜び)という語源通りの明るく陽気な曲種。ダイナミックで爽快なバイレが特徴。
  • ブレリア (Buleria)
    burla(あざけり)が語源といわれる。最もテンポが速い曲種であり、激しい曲調を持つ。宴の締めによく使われる。
  • セビジャーナス (Sevillanas)
    セビージャ発祥の舞踊曲が起源。4曲で1セットで、明快な曲調。ステップは易しく、バイレの入門曲に使われる。
  • タンゴ (Tango)
    カディス発祥、2拍子でノリのよい明るい曲種。アルゼンチン・タンゴとは別種。宴の締めによく演奏される。
  • タンギージョ (Tanguillos)
    小さなタンゴの意。タンゴよりも速く、ユーモラスで愛嬌あふれるバイレが特徴。

フラメンコ用語集


  • カンテ (Cante)
    歌。魂の奥底から響く深い声(カンテ・ホンド)こそ、フラメンコの真髄といえる。ヒターノ達にとってフラメンコと言えば、まずはこのカンテが重要。
  • カンタオール (cantaor)
    男性の歌い手。
  • カンタオーラ (cantaora)
    女性の歌い手。
  • バイレ (Baile)
    踊りのこと。日本ではフラメンコといえば踊りというイメージが強い。つま先やかかとで床を踏み鳴らしてリズムをとる(サパテアード)、また手の動き(ブラッソ)はフラメンコの命である。
  • バイラオール (bailaor)
    男性の踊り手。
  • バイラオーラ (bailaora)
    女性の踊り手。
  • トケ (Toque)
    ギター演奏。主に、アコースティック・ギターの一種であるフラメンコギターを用いる。指先でギターを叩いてリズムを取る奏法からギター表面を保護するため、セルロイドなどで出来たゴルペ板を貼ってあるのが特徴。ゴルペ(名詞golpe,動詞golpear)とはスペイン語で「打撃、(剣術の)打ちこみ」などの意味。
  • パリージョ (palillos)
    踊り子が両手に持つカスタネット。利き手には高音が出るもの、逆手には低音がでるものをつける。
  • ハレオ (Jaleo)
    掛け声。『オーレ!』(アラー由来?といわれる掛け声)、『ビエン!』(good、いいぞ、の意)などの掛け声が場を盛り上げる。
  • パルマ (Palma)
    手拍子。甲高い音の『セコ (seco)』と低くこもった音の『バホ (bajo)』の2種類の音を使い分けながら、踊り手やギタリスト、歌い手の呼吸に合わせながらたたいて行く。フラメンコの音楽を形成する上で重要な役割を持つ。

                                           (Wikipediaより)